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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科36巻2号

1982年02月発行

文献概要

原著

悪性萎縮性丘疹症(Degos)—症例報告と本邦報告例のまとめ

著者: 荻野篤彦1 樋口貴子1 山元真理子1 滝川雅浩2

所属機関: 1国立京都病院皮膚科医長 2京都大学医学部皮膚科教室

ページ範囲:P.145 - P.150

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 32歳の主婦.3年前より悪性萎縮性丘疹症(Degos)に特有な皮疹が顔面・頭部を除く全身性に生じ,5ヵ月前に腹膜炎症状を起こし開腹術を受けたが,その後良好に経過した.約1年半の間,アスピリンとペルサンチンの併用療法を続けたが皮疹はほとんど反応していない.鉄欠乏性貧血あり.皮疹の螢光抗体法で真皮の血管壁およびその内腔にIgM・C1qの沈着.電顕で血管内皮細胞および線維芽細胞内にウイルス様管状構造を観察した.
本症は主に欧米で報告され,現在まで約80例が集められている.本邦でも自験例を含めて6例が報告されており,うち3例がいずれも急性腹膜炎にて死亡している.本邦では女性例が多いということ以外に,欧米の報告例と比較して箸しい差異はない.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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