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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科36巻3号

1982年03月発行

原著

経静脈高カロリー輸液施行中に発生した腸性肢端皮膚炎様皮膚病変

著者: 嵯峨賢次1 本間光一1 千葉雅史1 竹田勇士1 杉山貞夫1 久保富夫2 山本直3

所属機関: 1札幌医科大学皮膚科学講座 2札幌医科大学外科学第1講座 3留萌市立病院外科

ページ範囲:P.209 - P.212

文献概要

 経中心静脈高カロリー輸液(IVH)施行中に発症した腸性肢端皮膚炎様皮膚病変の2症例を報告した.症例1は62歳の女性である.小腸切除術後の縫合不全の為にIVHを受けていた.IVH開始後70日目から四肢末端,開口部,間擦部位に水疱を伴った紅斑が出現し,水疱はビラン,痂皮化した.血清亜鉛は19μg/dlに低下していた.症例2は57歳の女性である.胃癌による通過障害の為にIVHを受けていた.IVH開始5ヵ月後に症例1と同様な皮疹が出現した.血清亜鉛は35μg/dlに低下していた.組織学的には表皮にはacan—tholysisとdyskeratosisが,真皮には強い浮腫が存在した.症例1は硫酸亜鉛の内服により,症例2は亜鉛製剤の点滴静注により,皮疹は速やかに消失し,血清亜鉛は正常値にもどった.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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