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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科36巻3号

1982年03月発行

原著

モルフィア様病変および皮下結節を伴ったCRST症候群

著者: 野村和夫1 三橋善比古1 門馬節子1 古川隆1 羽田知子1

所属機関: 1弘前大学医学部皮膚科教室

ページ範囲:P.265 - P.269

文献概要

 23歳女,約8年前より両下腿に限局性皮膚硬化があり,2年前よりレイノー症状,手指の硬化が出現し,また殿部,下腿に皮下結節がみられている.顔面,胸部などに多数の毛細血管拡張があり,下肢X線で皮下石灰化像を認め,全身性強皮症,とりわけCRST症候群が考えられた.下腿の局面の組織は膠原線維の増生,血管の閉塞性変化が主体であり,この部の螢光抗体直接法でIgG, A, M沈着がみられた.皮下結節部の組織は脂肪織内塞栓形成,真皮小血管の閉塞性変化であった.検査では,免疫グロブリン高値,DNCB感作不成立,リンパ球幼若化反応低下など全身的に免疫異常の存在が疑われた.これらのことから,CRST症候群,下腿の限局性皮膚硬化,皮下結節は偶然の合併ではなく,血管変化,免疫異常などを基盤とした一元的な病態と考えられた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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