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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科36巻6号

1982年06月発行

原著

有痛性腫瘤と高カルシウム血症を伴った皮膚のT細胞型悪性リンパ腫の1例

著者: 長谷哲男1 園田俊雄2 黒沢伝枝2 高橋泰英2 宮本秀明2 中嶋弘2 永井隆吉2 湊啓輔3 下山正徳3

所属機関: 1平塚共済病院皮膚科 2横浜市立大学医学部皮膚科 3国立がんセンター病院内科,臨床検査部

ページ範囲:P.579 - P.584

文献概要

 有痛性皮膚腫瘤および皮下腫瘤と骨への浸潤,高Ca血症を特徴としたT細胞型悪性リンパ腫の1例を報告した.有痛性皮膚腫瘤を初発とし,末梢血や骨髄,リンパ節への浸潤は明らかでなく,経過中骨への浸潤,高Ca血症が出現した.皮膚腫瘤の生検組織像では,真皮を中心に,著しい多型性のある細胞の,稠密な浸潤が認められた.それらの浸潤細胞では,多核の巨細胞にもEnロゼット形成能が認められ,T細胞型とした.臨床症状,病理組織像,細胞診,表面膜性状より,cutaneous T cell lymphoma(CTCL)とは考えられず,adult T cell leukemia lymphoma(ATLL)の近縁疾患と考えられる特微をそなえている悪性リンパ腫と結論づけた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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