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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科36巻6号

1982年06月発行

文献概要

原著

Eccrine Hidrocystoma

著者: 斎田俊明1 土屋真一2

所属機関: 1東京大学医学部附属病院分院皮膚科 2埼玉県立がんセンター病理部

ページ範囲:P.617 - P.623

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 64歳女の顔面に多発した典型的なRobinson型のeccrine hidrocystoma(EH).約30年前より小丘疹状皮疹が生じ,発汗時に顕著化することをくり返しつつ,増数してきた.組織学的には真皮内の円形の嚢腫で,その壁は約2層の上皮性細胞で構成されていた.電顕的には,嚢腫壁外層部の細胞は表面に不規則な短絨毛状突起を有し,細胞質内にはmitochondria,glycogen顆粒が多数存在していた.内腔側の細胞は概して暗調で,desmosomeの発達がよく,細胞間の結合は比較的緊密である.この細胞の内腔面には多数の絨毛状突起がみられ,細胞内にはmitochondria,glycogen顆粒の他にlysosome様の高電子密度の顆粒が存在していた.細胞間の内腔側端にはtight junctionが認められた.
EHの組織発生について考察し,少くともRobinson型の本症は,eccrine汗管末梢部での閉塞に多汗の状態が加って生じるretention cystであろうと結論した.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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