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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科36巻7号

1982年07月発行

原著

表皮細胞核にSpeckled型抗核抗体のみられた症例について—抗RNP抗体価と補体結合能の検討

著者: 岩月啓氏1 田上八朗1 山田瑞穂1 森口道子2 佐野勉3

所属機関: 1浜松医科大学皮膚科教室 2遠州総合病院皮膚科 3静岡県立中央病院皮膚科

ページ範囲:P.649 - P.654

文献概要

 螢光抗体直接法にて,表皮の細胞核にspeckled型抗核抗体の認められた14例の臨床症状と抗核抗体の性状につき検討した.12症例より得られた血清試料については抗RNP抗体価を測定し,その補体結合能について,SLE患者血清を対照として検討した.対象とした14例には,臨床所見よりSLEと考えられる2例,MCTDの1例のほかに,確定診断に至らない不全型のいわゆる膠原病が11例含まれていた.しかし,検索した血清のすべてに高値の抗RNP抗体が認められた.つまり,表皮細胞核へのspeckled型抗核抗体沈着は高値の抗ENA抗体,とくに抗RNP抗体を有することの表現型であるが,MCTDに特異的な所見ではなかった.臨床症状ではRaynaud現象を示す頻度が高かった.また,抗RNP抗体はSLE患都血清中の種々の抗核抗体とくらべ,遜色のない補体結合性を持っていた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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