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原著
Malignant Clear Cell Hidradenoma
著者: 坂本ふみ子1 竹内誠司1
所属機関: 1新潟大学医学部皮膚科教室
ページ範囲:P.839 - P.846
文献購入ページに移動 61歳男性の,生来の血管腫局面上に原発し,前胸部に転移巣を認めたmalignantclear cell hidradenomaの1例を検索した.真皮から皮下にわたる腫瘍胞巣は,PAS染色陽性の明るい細胞よりなり,それらに核の異型性,ケラトヒアリン顆粒を含む角化巣,嚢腫様構造などをみる.腫瘍細胞は,コハク酸脱水素酵素陽性,酸性フォスファターゼ陽性,フォスフォリラーゼ陽性,β—グルクロニダーゼ陽性,アルカリフォスファターゼ陰性であった.電顕的には腫瘍細胞は,ロゼット型グリコーゲンと脂肪滴,大小種々の電子密度の分泌顆粒,トノフィラメントなどを種々の程度にそれぞれ含む細胞よりなる.以上の点より,自験例は,i)汗管,ii)分泌部,iii)分泌部と汗管の両者,へのそれぞれの分化を示す腫瘍細胞からなるものと思われた.
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