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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科36巻9号

1982年09月発行

文献概要

原著

Angioleiomyoma:嚢腫様構築を示した1例

著者: 加藤光子1 堀越貴志1 千葉雅史1 神保孝一1

所属機関: 1札幌医科大学皮膚科講座

ページ範囲:P.865 - P.870

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 自験例は左下腿の皮下腫瘤を主訴として来院した25歳,女性である,臨床診断は,dermatofibromaとされ,組織学的所見からは,Antoni A型のneurilemmomaかまたは,angioleiomyomaが疑われた.組織学上,腫瘍は結合織性の薄い被膜に囲まれ,中央部は粘液変性をおこし,嚢腫様の構築を示していた.腫瘍細胞はMallory染色で赤色に染まり陽性所見を呈したために.神経細胞由来かまたは筋細胞由来を思わせた.電子顕微鏡下で腫瘍細胞は基底膜を有し,細胞質内には筋細胞の特徴を示す50Åのfilamentおよびdense bodyが束状に密に集積していた.以上の所見から,自験例は嚢腫様の構築を示したangioleiomyomaであると確定診断した.各種の腫瘍性疾患の診断にあたっては,電子顕微鏡的所見が極めて有用であることを強調したい.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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