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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科36巻9号

1982年09月発行

文献概要

原著

ノルウェー疥癬の1例

著者: 村越三千代1 早川浩太郎1 町田暁1 小澤明1 難波煌治2 村越正典3 堤寛3 名倉宏3

所属機関: 1東海大学医学部皮膚科教室 2東海大学医学部内科学教室 3東海大学医学部病理学教室

ページ範囲:P.879 - P.885

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 症例は79歳女性,神奈川県平塚在住.正確な発症時期は不明であるが,約3ヵ月間で異常な厚さの乾燥した泥状の痂皮が固着した特異な紅皮症状態に進展した.全身症状は重篤.合併症として肝硬変あり.皮疹部皮膚生検組織の免疫組織化学的検索(酵素標識抗体法)で,真皮結合織および表皮細胞間隙にIgG沈着が,虫体表面にIgEの沈着が認められた.真皮上層結合織内には多数のIgG,IgE形質細胞が浸潤していた.さらに臨床検査によって高IgE血症が認められ,虫体をアレルゲンとした生体反応(アレルギー反応)が惹起されていることが想像された.自験例が,通常の疥癬からノルウェー疥癬へと発展したのは,患者の特殊な生活環境,肝硬変の合併,あやまった外用療法など多くの因子が関連したと考えられた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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