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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科36巻9号

1982年09月発行

文献概要

原著

原発性皮膚クリプトコックス症

著者: 木花光1 岩崎弘幸1 石川謹也1 西川武二2

所属機関: 1川崎市立川崎病院皮膚科 2慶応義塾大学医学部皮膚科教室

ページ範囲:P.887 - P.891

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 原発性皮膚クリプトコックス症の27歳男子例を報告した.初診の3ヵ月前,右拇指に外傷,一旦治癒したかに見えたが1ヵ月前より同じ部位に湿潤腫脹をきたした.病理組織学的に真皮に小円形細胞,組織球などより成る稠密な細胞浸潤があり,PAS染色にて多数の菌要素を認めた.生検皮膚のサブロー培地培養にてクリーム状集落が得られ,分離菌はCryptococcus neoformansと同定された.また有性世代は,Filobasidiella neoformans,ma—ting type α,scrotype Dと同定された.3%小川培地での培養では典型的な厚い莢膜をもった菌細胞が得られた.生検後軽快傾向が見られ,クロトリマゾール含有軟膏の外用にて,半年後患部はほぼ正常に復した.経過中全身症状なく皮疹の新生なし.以上より本例は自然治癒と考えられた.また原発性皮膚クリプトコックス症につき若干考察を加えた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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