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原著
Tricholemmal Keratosis—4例の報告と本症の位置づけ
著者: 小松威彦1 木村俊次1
所属機関: 1慶応義塾大学医学部皮膚科教室
ページ範囲:P.35 - P.39
文献購入ページに移動 Tricholemmal keratosisの4例を報告した.症例は53歳男,55歳男,74歳男,43歳男で,何れも頭頸部に発症し,経過は長期間に亙る.組織学的に著しい角質増生とその底部の上皮の外毛根鞘性角化とを特徴とする他,腫瘍周辺部表皮が腫瘍辺縁部を襟飾り状に覆う所見が得られた.3例に電顕的検索を施行し,従来,外毛根鞘ないしtrichilemmal cystに報告されていた所見とやや異った像を得,さらに有棘層上層〜角質層の核内にヒト乳頭腫ウイルス様粒子を認めた.又,全例にホルマリン処理ヒト乳頭腫ウイルスに対する抗血清を用いた螢光抗体間接法を施行し,2例に有棘層上層〜角質層下部の表皮細胞核に一致する特異螢光を得た.以上より本症はウイルス性疣贅と関連大なるものと考えた.
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