文献詳細
文献概要
原著
爪甲下に生じたAcquired Digital Fibrokeratomaの1例
著者: 滝野長平1 御藤良裕1
所属機関: 1九段坂病院皮膚科
ページ範囲:P.57 - P.62
文献購入ページに移動 50歳男性の右第1趾爪床部に発生し,爪甲下を索状に伸びて先端を遊離縁より僅かにのぞかせるという特異な臨床像を呈したacquired digital fibrokeratomaの症例を報告した.この機会に爪囲・爪床部における本症の問題点について文献的に検討するとともに,本症のこの部における局所解例学的に異なる発生部位,すなわち爪廓・爪溝・爪床・爪母などでの臨床形態の特徴について検討したが,それぞれに特徴はみられるものの現時点ではいまだ事例が少なく,これらを明らかにするためには一層の症例の積み重ねが必要であることを述べた.ちなみに本邦における1981年までの誌上掲載例は40例で,このうち爪囲・爪床例は4例.爪床例は自験例のみであった.
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