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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科37巻1号

1983年01月発行

文献概要

原著

Pseudocyst of the Auricleの4例

著者: 斉藤眞理子1 八木茂1 森嶋隆文1

所属機関: 1日本大学医学部皮膚科教室

ページ範囲:P.81 - P.85

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 Pseudocyst of the auricle (耳介仮性嚢腫)(Engel)の4例を報告した.本症の特徴を要約すると,以下の如くである.1)中年の男子に多い.2)罹患部位は耳介前面上半部で,対耳輪脚連結部〜対耳輪〜耳輪上部とに囲まれた部位である.3)臨床的には疼痛を欠き,表面皮膚は常色,扁平台状〜半球状に隆起,大きさは拇指頭大前後の軟骨内に位置する嚢腫様病変である.4)内容液は黄色透明,粘稠性であり,蛋白の組成やコレステロール値の検索から内容液は血清由来を思わせた.5)組織学的には嚢腫は軟骨内に形成され,表皮や真皮に著変はない.6)治療法は病理組織学的検索を兼ねて,嚢腫壁を小切除し,乾ガーゼ挿入・圧迫固定が良いように思われる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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