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原著
正常および病的表皮基底側表面の走査電顕的観察—塩酸・コラゲナーゼ消化法を用いて
著者: 大草康弘1 長島正治1 高田邦昭2 平野寛2
所属機関: 1杏林大学医学部皮膚科教室 2杏林大学医学部解剖学教室
ページ範囲:P.857 - P.861
文献購入ページに移動正常表皮では表皮突起の立体構築が観察されると同時に,メラノサイトと考えられる細胞の真皮側への突出像もみられた.尋常性白斑では表皮突起の扁平化とメラノサイトと考えられる細胞の減少・消失が,尋常性乾癬では表皮突起の肥大・延長・融合が,ボーエン病では巨大な表皮突起がそれぞれ観察された.
塩酸・コラゲナーゼ法は,従来用いられた種々の方法に比べ組織の変形などの人為的影響が少なく,しかも非遊離細胞表面の直接的観察を可能とさせるため,表皮基底側表面などの走査電顕的観察にきわめて有用な手段であると考えられる.
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