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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科37巻10号

1983年10月発行

文献概要

原著

Bourneville-Pringle母斑症—特に非上皮性の培養細胞について

著者: 秋山純一1 進藤泰子1 高瀬吉雄1

所属機関: 1信州大学医学部皮膚科教室

ページ範囲:P.911 - P.916

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 幼児期より長期間にわたり観察しえたBourneville-Pringle母斑症の1例を報告した.13歳頃から,いわゆる脂腺腫(As)が著しく増加し,桑実状腫瘤にまで成長した.同患者のAs部分及び健常部より非上皮性細胞の培養を行い,それぞれの培養細胞について形態,DNA合成能および継代数を比較した.As部より増殖した細胞は健常部よりのものと比べ,collagenの産生はより著しく,また3H-thymidineの取り込み実験により,DNA合成速度の亢進も推測された.興味あることに両細胞の継代を繰り返すことにより,健常部の細胞は早期即ち7代に変性を起こし,年齢から見た通常の継代可能回数よりも少なかった.しかしAs部よりの細胞は,現時点で15代まで継代培養を続けており,今後の推移が注目される.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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