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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科37巻11号

1983年11月発行

文献概要

原著

腎血管造影にて典型的な微小動脈瘤を認めた結節性動脈周囲炎の1例

著者: 増田光喜1 北村啓次郎1

所属機関: 1慶応義塾大学医学部皮膚科教室

ページ範囲:P.1009 - P.1014

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 51歳男子,四肢の網状紅斑を主訴として来院し,皮膚生検にて結節性動脈周囲炎(PN)に相当する壊死性血管炎像を得た.入院後,血沈亢進,貧血,白血球増多,好酸球増多,血小板増多,各種尿所見等の検査成績に加え,選択的腎血管造影にて両側腎に多発性微小動脈瘤を認め,末梢神経炎,腹痛等の臨床所見と併せPNと診断した.治療は,PSL,イムラン,カプトプリルにより現在良好に経過している.組織学的に皮膚の中等大動脈の壊死性血管炎を呈する場合,リベド様皮疹が臨床上重要な所見であり,また腎血管造影は,PN等の壊死性血管炎を臨床的に診断する上で価値の高い診断法と思われた.さらに本例は,慢性関節リウマチを有しており,PNと悪性関節リウマチの関連につき若干の考察を行なった.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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