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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科37巻11号

1983年11月発行

文献概要

原著

糖尿病を合併したGeneralized Perforating Granuloma Annulareの1例

著者: 清水宏1 馬場恵美1 原田敬之1 倉持正雄2

所属機関: 1国家公務員共済組合連合会立川病院皮膚科 2結核研究所附属病院

ページ範囲:P.1019 - P.1024

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 59歳,男.初診時,前胸部,両上肢に典型的なgranuloma annulare (GA)が存在したが,1年後に小豆大のGAの皮疹が全身に汎発性に新生多発し,generalized GAへと変貌した.さらに半年後,新生した一部の皮疹の中央部が陥凹,潰瘍化し,generalizedperforating GAの疹へと変化した.精査により顕性糖尿病の合併が発見され食事療法を開始したところ,糖尿病の改善に伴いすべての皮疹が色素沈着を残し消褪した.PerforatingGAが糖尿病の改善とともに消腿したとの報告は,自験例の他には未だなく,注目に値するものと思われた.またperforating GAの既報告23例を集計し文献的に考察を行ない,皮疹の臨床形態から,中心臍窩を有する数mmの小丘疹が多発するものをpapular perforatingtype (P型),爪甲大前後の比較的大きな潰瘍局面を形成するものをulcerative perforatingtype (U型)の2型に大別しうることを提唱した.また,とくにU型には糖尿病の合併例が多いことから,両者に強い相関関係があることが示唆された.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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