icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科37巻2号

1983年02月発行

文献概要

原著

糖尿病と肝硬変を合併した女性にみられた汎発性穿孔性環状肉芽腫

著者: 荒瀬誠治1 榎本充邦1 岩田克美2 重見文雄3 玉田伸二3

所属機関: 1高知県立中央病院皮膚科 2高知県立中央病院臨床病理 3徳島大学医学部皮膚科教室

ページ範囲:P.113 - P.117

文献購入ページに移動
 68歳女性の四肢伸側,手指背に出現した汎発性穿孔性環状肉芽腫について報告した.皮疹は大豆大までの扁平丘疹よりなり,約半数に中心臍窩もしくは中心部痂皮状物質付着が認められた.組織学的には,典型的な柵状肉芽腫が真皮上層にあり,臨床的に中心臍窩と一致する部に,表皮をつらぬくperforating canalを認めた.同部を通り,種々の物質が体外に排出されている像(transepithelial elimination)も認められた.自験例を含め論文記載例を総括したところ,本症の皮疹は全例丘疹の形で出現している事,経過が速やかな事,糖尿病の合併が多い事が特徴的であった.本症は丘疹型の汎発性環状肉芽腫の亜型と考えられる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?