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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科37巻2号

1983年02月発行

文献概要

原著

いわゆるAcropustulosis of Infancy—疥癬罹患乳幼児に生じた4症例

著者: 笹岡和夫1 赤星吉徳2 鳥山史2

所属機関: 1長崎市立市民病院皮膚科 2長崎大学医学部皮膚科教室

ページ範囲:P.161 - P.166

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 乳幼児の四肢末端,主として掌蹠に,丘疹,小水疱および無菌性膿疱が再三出現して難治である,いわゆるacropustulosis of infancyなる疾患に該当する4症例を報告した.自験4症例(3例は1歳未満の乳児)とも,家族ごと疥癬に罹患し,治療により患児の疥癬が一応治癒した後,本症が発症したが,この時点で疥癬虫は検出されず,膿疱は無菌性であった.本症と鑑別を要する疾患として,乳幼児に生じた掌蹠膿疱症があげられる.
 本症は疥癬罹患とは無関係に生ずる例もあり,また単なる疥癬感染症でないことは明らかであるが,真の病因および独立疾患か否かについては,まだ不明である.しかし,疥癬感染が先行している症例では,多分,乳幼児の皮膚という生理的特異性を基に,済癬虫,虫卵,虫毒素などに対する遅延型アレルギー機序が関与して生じた皮疹ではないかと推察された.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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