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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科37巻2号

1983年02月発行

文献概要

原著

Furosemideによる水疱型薬疹

著者: 堀口裕治1 高橋千恵1 堀尾武1 越村邦男2 田中俊宏3 荻野篤彦3

所属機関: 1京都大学医学部皮膚科教室 2京都大学医学部第3内科学教室 3国立京都病院皮膚科

ページ範囲:P.187 - P.191

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 Furosemide内服中の腎不全患者にみられた水疱型薬疹の2症例(57歳男性例および49歳男性例)を報告した.第1例は解離性大動脈瘤,多発性脳梗塞および高血圧症を伴う急性腎不全患者であり,furosemide 40mgを含む各種降圧剤と透析による治療中,扁平苔癬様の皮疹とともに爪甲大,透明な水疱が生じた.第2例はネフローゼ症候群を伴う慢性腎不全の患者であり,腎不全増悪時にfurosemide 20mgを数日間投与されたのち,指頭大,透明な水疱が生じた.いずれの症例も皮疹発生部位は躯幹あるいは大腿,上腕であり,日光露出部ではない.また,螢光抗体直接法および間接法にて,組織中の免疫グロブリンあるいは補体成分の沈着,血清中の自己抗体を認め得なかった.2例ともfurosemide投与中止後,皮疹は消失した.Furosemideによる蓄積型薬疹と考えた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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