文献詳細
原著
文献概要
昭和51〜55年の5年間に新潟大学皮膚科を受診した帯状疱疹患者398例について統計的観察を行った.さらにその後の経過について郵便によるアンケート調査を施行し,回答が得られた174例の疼痛の残余期間,合併症とその予後等について分析した.その結果,次の結論を得た.1)年度や季節による著明な発症数の変動はない.2)女性にやや多い(男:女=1:1.20).3)高齢者に多いが20代に小さなピークがある.4)顔面・頭部では左側に多く,頸部より下では左右差はない.5)50歳以上では顔面・頭部,次いで胸部に好発し,50歳未満では一定の傾向がない.6)帯状疱疹後神経痛は高齢者ほど遷延しやすい.7)放射線照射後,照射部に発症することがある.8)手術や外傷が誘因となることがあるが,部位的関連性はない.9)悪性腫瘍の末期に発症することが多い.10)細胞性免疫能の低下が示唆された.11)汎発型は限局型に比して他疾患の合併率が高いとはいえない.
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