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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科37巻3号

1983年03月発行

文献概要

原著

特異な臨床像を呈した先天性多発性グロムス腫瘍

著者: 遠藤千鶴子1 片山洋1 川田陽弘1

所属機関: 1自治医科大学皮膚科教室

ページ範囲:P.287 - P.290

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 特異な臨床像を呈した4歳女児の多発性グロムス腫瘍の1例を報告する.皮疹は生下時より認められ,両側上肢屈側,前胸部,腹部,上背部にかけて列序性に配列する.主として暗赤色〜青色の海綿状血管腫様変化を示す.一部では皮表より膨隆して静脈瘤様変化を示し,蔓状血管腫を疑わせる部位もあるが,コマ音,拍動及び疼痛はない.
 組織学的には,真皮下層から皮下組織にかけて大小の小血管が増殖,拡張し,その外周に,円形〜楕円形の濃染する核を有するグロムス細胞が1〜3層,所によっては5〜6層または塊状に増殖している.また動脈撮影により,血管腫様の造影剤の貯溜像を認めた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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