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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科37巻3号

1983年03月発行

原著

悪性黒色腫:経過中にCompensated及びDecompensated DICを発症した症例

著者: 伊崎誠一1 後藤尚1 堀恵二1 佐藤恵1 田中洋2

所属機関: 1岩手医科大学医学部皮膚科教室 2岩手医科大学医学部第二病理学教室

ページ範囲:P.295 - P.300

文献概要

 2年2カ月の経過中に,特徴のある凝固線溶異常を合併した悪性黒色腫の一症例を紹介した.患老は77歳男,原発巣は右踵部.来院時すでにLevel(V),Stage(III),T3N2M0.放射線・化学・及び免疫療法を行ううちに典型的なDICを合併し,回復した.来院時より死亡に至るまでの凝固線溶検査値の変動を検討した結果,血小板数,フィブリノーゲン値及び血漿FDP値の変動が,Cooperらの提唱したcompensated及びdecompensatedDICの概念をよく支持する実例であることが判明した.加えて本症例の凝固及び線溶の引ぎ金因子並びにこれに対する生体の補償作用について考察を加え,悪性腫瘍に伴う凝固線溶異常の本態を探ろうとした.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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