文献詳細
原著
文献概要
72歳女子,全身に紅斑・水疱・糜燗を生じ,生検標本では病理組織学的に表皮下水疱が認められたが,螢光抗体直接および間接法で表皮細胞間と表皮真皮境界部にIgGおよびC3の沈着と抗表皮細胞間抗体・抗基底膜抗体の両者が証明され,天疱瘡抗体を認めた水疱性類天疱瘡もしくは尋常天疱瘡と水疱性類天疱瘡の合併例と考えられる成績が得られた.この稀な症例はまだ本邦では報告されず,海外に7例の報告があるに過ぎないが,自己免疫制御機構の破綻という機序を考慮すれば,必ずしも稀有な所見ではないかもしれない.
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