icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科37巻4号

1983年04月発行

原著

基底細胞上皮腫と老人性疣贅像の共存例

著者: 竹島真徳1 高橋久1

所属機関: 1帝京大学医学部皮膚科教室

ページ範囲:P.387 - P.390

文献概要

 66歳,男子.約30年前より,左大腿部内側に黒褐色の小結節あり.徐々に増大してきた.初診時,25×20mmの境界明瞭な有茎状隆起性の黒褐色腫瘤を認め,固く触れる.表面は疣状を呈し,一部で角質増殖及び鱗屑を認める.軽度炎症症状がみられるものの,領域リンパ節腫脹は認めない.組織学的には,腫瘍の大部分は,basaloid cellで構成される細胞集団で,典型的な基底細胞上皮腫の像を示す.一方,所々に,過角化,有棘細胞増殖,仮性角化嚢腫などを伴う老人性疣贅の縁が見られる.腫瘍の深層部では,基底細胞上皮腫の下方に接して老人性疣贅が残存してみられ,両者の移行が認められる.また,多数の場所で,両者の増殖が連続している.本症は,既存の老人性疣贅の中から基底細胞上皮腫が発生したとも考えられ,ここに報告し,若干の考えを述べた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら