icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科37巻7号

1983年07月発行

原著

ネコノミによる皮膚炎

著者: 前田健1 姉小路公久1

所属機関: 1東京警察病院皮膚科

ページ範囲:P.647 - P.651

文献概要

 昭和57年,6例のネコノミによる皮膚炎患者を経験したので報告する.皮疹は下腿に多く,次いで前腕に出現している.腹部にも3名が出現しており,臀部にも出現を認めている.皮疹は紅色丘疹が散在しており,中心は掻破のため糜爛している.水疱も全例に出現している.又,小結節様紅色丘疹,膿痂疹様湿潤性局面を示す症例もあった.現在,東京都で見られるのはほとんどがネコノミであり,イヌノミはほとんど見られず,イヌに寄生しているのもほとんどネコノミである.ネコノミは昭和54年より増加傾向を示しているが,昭和57年夏,それまで涼しい日が続いており,8月中旬に急に暑くなったため,一時期に大量のノミの発生を見た.そのため,皮膚科患者も増加したようである.今後ネコノミは増加傾向にあり,皮膚科患者も増加するものと思われ,その駆除対策が必要である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら