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文献概要
原著
Eccrine Porocarcinoma in situの1例
著者: 中村節子1 森田吉和1
所属機関: 1天理よろづ相談所病院皮膚科
ページ範囲:P.717 - P.722
文献購入ページに移動 67歳男性.2カ月前より右下腹部に生じた腫瘤につき各種検索を実施した.腫瘍細胞は,やや小型で巣状に配列し,細胞の異型性が強く核分裂像も著明.細胞質内には,PAS染色陽性顆粒が散見され,ジアスターゼ・PAS染色で陰性.ムチン・ケラチン染色で被覆表皮(ケラチノサイト)と区別出来る.電顕的には,細胞間隙広く,絨毛突起豊富で,デスモゾーム,トノフィラメント少なく,又細胞内空胞形成を認めた(この空胞は,将来管腔を形成するものと考えられる).本症例は,転移巣,真皮への浸潤のない点より,eccrine porocarcinoma in situと考えられる貴重な症例で,本邦報告例中のeccrine poro—carcinomaと比較検討し,その意義について考察を加えた.
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