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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科37巻9号

1983年09月発行

文献概要

原著

水疱性類天疱瘡—自験10例の報告と水疱型,小水疱型の比較

著者: 三橋善比古1 橋本功1 帷子康雄1 古川隆1 野村和夫1 伊藤泉1 門馬節子2

所属機関: 1弘前大学医学部皮膚科教室 2山形県立河北病院皮膚科

ページ範囲:P.801 - P.806

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要約 水疱性類天疱瘡の10例を報告した.うちわけは男8例,女2例で年齢は50歳から88歳まで,平均72歳であった.Chorzelskiらの臨床分類に従い,水疱型6例,萎縮・瘢痕を伴う水疱型1例,小水疱型3例に分け,水疱型と小水疱型の相違について検討したところ,以下の点が明らかとなった.1)水疱型は全例70歳以上と高齢で,瘙痒は認めないか,あっても軽度のものが多いのに対し,小水疱型は3例とも50歳台で,激痒を伴い,2)臨床検査所見で水疱型は赤沈亢進が6例中4例,CRP陽性(1+〜4+)も4例に対し,小水疱型では3例とも赤沈,CRPに異常を認めなかった.3)組織所見で,小水疱型は著しく好酸球優位の細胞浸潤がみられ,2例で真皮乳頭に微小膿瘍を認めた.4)免疫螢光法所見,電顕所見およびDDSに対する反応性では特に差はみられなかった.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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