icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科37巻9号

1983年09月発行

文献概要

原著

妊娠性疱疹の1例—本邦38症例の統計的考察

著者: 佐藤恵1 許培炘1 黒田啓美1 堀恵二1 昆宰市1

所属機関: 1岩手医科大学医学部皮膚科教室

ページ範囲:P.807 - P.812

文献購入ページに移動
 26歳妊婦の第2子妊娠24週に,ジューリング疱疹状皮膚炎様皮疹をもって発症した妊娠性疱疹の1例を報告した.組織は表皮下水疱,螢光抗体直接法で表皮基底膜にC3の沈着を認めた.電顕では基底細胞とbasal laminaの間に空隙を形成,細胞間のdesmosomeの減少ないし消失が認められた.臨床検査ではE3の低値があった.妊娠36週で早産した.なお,既往歴で,第1子妊娠時に多形滲出性紅斑様皮疹を発生していた.
 現在まで報告された38症例の文献的考察では比較的高年妊婦(平均29.6歳)に多く,妊娠4ヵ月以降の発症が33例と圧倒的に多かった.初回妊娠に発症したのが17例で,2回目以後の妊娠に発症したのが14例であった.臍部に初発,ついで躯幹,四肢に多形滲出性紅斑様皮疹をみることが多く,38例中6例は早産の報告であった.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?