文献詳細
原著
文献概要
62歳,女性.頸項部,背部,前胸部,腰部,更に顔面の一部に,白色または淡褐色の丘疹の集籏および淡紅色の硬い浸潤局面を認め,組織検査にて真皮上層にムチンの沈着をみ,粘液水腫性苔癬と診断した.また,この症例は慢性肝障害,糖尿病を伴ったが,M—蛋白は陰性であった.これまでにわが国で報告された本症の症例を検討すると,合併症としては肝障害が最も多く(43%),次いで糖尿病が比較的高頻度(17%)に認められた.これに対して検査所見でM—蛋白陽性症例は少かった(12%).一方,欧米においてはM—蛋白陽性の報告が多く,本症の発生機序とM—蛋白の存在とを関連づける報告もなされており,この点に関して若干の文献的考察を行った.
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