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原著
爪床部に生じたEpidermal Cystの1例—爪床部表皮とのSH基,S-S結合の動態の比較について
著者: 高橋喜嗣1 手塚正1
所属機関: 1近畿大学医学部皮膚科教室
ページ範囲:P.29 - P.33
文献購入ページに移動 35歳の男性,左示指爪甲下に生じた大豆大の腫瘤.病巣部のX線検査により,左指末節骨の背面,中央部に骨侵蝕像がみられる.その臨床像のみでは初診時診断が困難であったが,手術時所見組織学的所見から,爪甲下に生じたepidermal cystである.組織学的にはcpidermal cystである事は明白であるが,しかし,顆粒層の存在する部位と欠如する部位とが混在する.DACM染色のパターンを通常の表皮嚢腫,正常爪床部表皮(爪中央部),毛包のtrichilemmal角化部と比較したところ,通常の表皮嚢腫に最もよく類似している.治療は爪甲部を剥離し,腫瘤摘出術を実施した.
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