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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科38巻10号

1984年10月発行

文献概要

原著

転移性結核膿瘍

著者: 土屋喜久夫1 白取昭1 安田耕一郎1 国分一郎1 足立柳理1 寺島嘉昭2 佐藤幹弥3

所属機関: 1市立札幌病院皮膚科 2市立札幌病院整形外科 3市立札幌病院内科

ページ範囲:P.925 - P.931

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 頸部リンパ節結核の治療歴ある40歳男で,今回,左膝関節結核として再燃をみ,その後,菌の血行散布により,四肢,腰,副睾丸に結核膿瘍の多発をみた転移性結核膿瘍の1例を報告した.本症例は,ツ反中等度陽性も,DNCB感作不成立,カンジダ,SK-SD皮内テスト陰性,PHA, Con Aによるリンパ球幼弱化試験の著しい低値およびLeuシリーズでのリンパ球表面マーカーの解析で,Leu 4(末梢T細胞・胸腺細胞),Leu 2 a (サプレッサー・細胞障害T細胞)は著しく減少しており,細胞性免疫は低下していた.SM,INH, RFPによる三者併用療法を行なったが,腰部膿瘍は下方へ移動し,巨大膿瘍化し,いわゆる流注膿瘍を形成した.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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