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原著
文献概要
肝硬変症を有する49歳男子にみられたクリオグロブリン血症性紫斑の1例を報告した.検出されたクリオグロブリンはIgG-lgM mixed typeである.臨床的にアナフィラキシー性紫斑に類似し,組織学的には細小血管の壊死性血管炎の像を呈する.治療として2回にわたり血漿交換療法を施行し,一時的に紫斑の消褪をみた.血管炎の原因としては,クリオグロブリンを含んだ循環免疫複合体の存在が想定される.Schonlein-Henoch purpuraとの差違についても若干の考察をなした.
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