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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科38巻10号

1984年10月発行

文献概要

原著

関節性乾癬にみられた金疹の1例

著者: 千代谷成史1 田崎理子1 高橋正明1 花田勝美1 亀田忠孝2

所属機関: 1弘前大学医学部皮膚科教室 2青森労災病院皮膚科

ページ範囲:P.955 - P.958

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 52歳,男性.関節性乾癬に対しPUVA療法,金療法施行.金投与総量125 mgの時点でバラ色粃糠疹と膿疱様皮疹新生.組織学的にはそれぞれ非特異的炎症像,典型的乾癬像を示した.金の貼布試験,皮内テストおよび金によるリンパ球幼若化反応はいずれも陰性.バラ色粃糠疹様皮疹部と無疹部の皮膚組織および毛髪内金濃度では,皮疹部,無疹部ともに真皮より表皮に蓄積量が多く,真皮では皮疹部に多かったが,毛髪では投与前後で差はなかった.このことより金疹の発生には金の組織内沈着が何らかの形で関与していることが考えられ,金蓄積の指標としての毛髪分析は有用な手段とならないことが示唆された.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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