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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科38巻11号

1984年11月発行

文献概要

原著

高齢男子に発症した全身性エリテマトーデス

著者: 亀山孝一郎1 長谷川正次1 金丸哲山1

所属機関: 1北里大学皮膚科教室

ページ範囲:P.1015 - P.1019

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 症例は67歳男子.62歳頃より裸露部の紅斑.その後,凍瘡様皮疹,蝶形紅斑出現したため,昭和55年7月当科受診,精査治療目的にて入院した.SLEの診断にて,predni—solone 40mg/日にて治療を開始し,一過性の精神症状の出現をみるも,治療によく反応し同年10月退院した.その後,心包炎を伴うSLEの増悪を生じ,prednisoloneの増量にて寛解するも,心筋梗塞の発作をくり返し死亡した.老化によるSLE病像の変様について,および加齢,性別と免疫現象との関連について,自験106例を含め,文献的に考察し報告した.
1)高齢発症SLEは若年者と病型が異なり,軽症が多く,予後も良好である.
2)妊娠可能年齢の女性に頻度が高い理由として,性ホルモンの関与が推定される.
3)老年者に頻度が少なく,軽症が多い理由として,細胞性免疫の低下が推定される.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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