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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科38巻11号

1984年11月発行

文献概要

原著

Alclofenacによる薬疹(粘膜皮膚眼症候群型)の1例

著者: 篠田英和1 吉田彦太郎2

所属機関: 1国立嬉野病院皮膚科 2長崎大学医学部皮膚科教室

ページ範囲:P.1051 - P.1054

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 57歳,男性.エピナール,ブリセフ内服後に高熱,全身倦怠感,眼球充血,眼脂および口腔内,陰嚢,肛門の皮膚粘膜移行部に糜爛を認め,ほぼ全身にアズキ大より拇指頭大までの浮腫性紅斑をきたした.特に背部では融合傾向の強い紅斑が多発し,一部に健常皮膚を残すのみとなった.組織所見では,表皮の変性と多数の壊死に陥ったケラチノサイトを認め,真皮では上層の著明な浮腫と表皮下水疱,強いリンパ球の浸潤がみられた.エピナールの貼布試験は陽性であり,その部の生検所見では真皮内に組織球を伴った著明なリンパ球浸潤を認めた.さらに,ANAE染色を行なうと浸潤リンパ球はANAE活性陽性であり,T細胞であることが明らかとなった.
 以上の結果より,エピナールによる薬疹(粘膜皮膚眼症候群型)と診断し,本病型の薬疹に遅延型アレルギー機序の関与があると考えた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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