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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科38巻11号

1984年11月発行

文献概要

原著

Epidermolysis Bullosa Simplex(KÖBNER)の1家系—HLAの分析を含めて

著者: 桜岡浩一1 宮川俊一1 宮本伸子1 西川武二1 木村俊次2 高田肇3

所属機関: 1慶応義塾大学医学部皮膚科教室 2国家公務員共済組合連合会立川病院皮膚科 3慶応義塾大学医学部中検臨床免疫

ページ範囲:P.1061 - P.1066

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 1家系内3代にわたり4名の先天性表皮水疱症単純型(以下EBS)(KÖBNER)の発症をみた1家系を経験.症例は,2歳男児(発端者),29歳女(母),24歳男(叔父)および59歳男(祖父)である.いずれの症例も,生後まもなくより手指,足趾に水疱の形成を認め,夏季に増悪するも加齢と共に症状は軽快し,また水疱形成後に瘢痕や稗粒腫の形成は認められない.病理組織学的に,いずれの症例もHE染色で表皮下水疱を,PAS染色ではPAS陽性基底膜が水疱底を構成していた.電顕的には,表皮基底細胞下端に裂隙を認めた.また,一般にepidermolysis bullosaの1群の疾患はHLAと相関しないといわれているが,著者らは,本疾患の遺伝性の検索の一助として本症例に対し,HLAのA-locus,B-locusおよびDR-locusの検索を行なったので,若干の考察と合わせて報告した.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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