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原著
顔面に多発した孤立性毛嚢上皮腫
著者: 大草康弘1 長島正治1
所属機関: 1杏林大学医学部皮膚科教室
ページ範囲:P.1103 - P.1107
文献購入ページに移動 37歳,女性の顔面に孤立性毛嚢上皮腫が多発した1例を報告した.上口唇右鼻翼付着部下方,左右鼻背にそれぞれ1個の孤立した腫瘤が認められた.組織学的には,いずれの腫瘤もほぼ同様で,毛嚢上皮腫と診断された.電顕的に腫瘍細胞は明調・暗調細胞の2種類に大別された.
孤立性毛嚢上皮腫の多発例の報告は本邦にはなく,極めて稀な症例と考えられたので,これを報告するとともに,本症の組織像,電顕像につき若干の考察を加えた.なお,solitarytrichoepitheliomaの邦語名としては単発性よりも孤立性毛嚢上皮腫が最も適切であることを述べた.
孤立性毛嚢上皮腫の多発例の報告は本邦にはなく,極めて稀な症例と考えられたので,これを報告するとともに,本症の組織像,電顕像につき若干の考察を加えた.なお,solitarytrichoepitheliomaの邦語名としては単発性よりも孤立性毛嚢上皮腫が最も適切であることを述べた.
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