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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科38巻3号

1984年03月発行

文献概要

原著

Thrombophlebitis Migransを伴ったBuerger病

著者: 加藤一郎1 長谷川正次1 斉藤隆三1 根本ひろむ2

所属機関: 1北里大学医学部皮膚科教室 2北里大学医学部外科教室

ページ範囲:P.211 - P.214

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 Thrombophlebitis migransを伴ったBuerger病を経験した.症例は29歳男子.誘因なく左足背に発赤を伴う硬結が出現.圧痛を伴い索状に触れる.病理組織学的には皮下脂肪織内の中等大の静脈に器質化した血栓を認め,壁は肥厚していることより血栓性静脈炎と診断.さらに現病歴で腓腹筋痛を認め,足背動脈の拍動減弱,末梢の冷感があり,動脈造影を施行したところ左膝窩動脈にabrupt occlusion型の閉塞を認め,Buerger病の確診を得た.本院外科にて左腰部交感神経切除術を施行し,経過は良好である.
 Buerger病においてthrombophlebitis migransを病初期に認める例は60%をこえる.またBuerger病全例の5%がthrombophlebitis migransを初発症状とする点を考えれば,皮膚科医も常にその背景としてBuerger病を考えるべきであろう.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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