文献詳細
文献概要
原著
Civatte Bodyの電顕および螢光抗体法による研究—扁平苔癬とエリテマトーデスの比較
著者: 木内一佳志1 三橋善比古1
所属機関: 1弘前大学医学部皮膚科教室
ページ範囲:P.215 - P.221
文献購入ページに移動 扁平苔癬(Lp),Lp型薬疹,SLEおよびDLEにおいてみられたCivatte body(Cb)を,電顕および螢光抗体直接法(DIF)により観察したところ,1)Cbの出現と基底細胞の液状変性との間に高い相関をみ,2)DIFでCbに一致してIgMとfibrinogenの沈着が高頻度にみられた.3)電顕的観察では,Cbは細線維塊よりなり,細胞内小器官の遺残を認めた.4)SLEのCbとLpのそれとの比較では,本質的差異はなかった.以上から,Cbは疾患の原因を示すものではなく,種々の原因によって障害された表皮細胞の変性終末像であり,基底細胞の液状変性は誘因の1つと考えた.
掲載誌情報