文献詳細
文献概要
原著
アミロイドおよび酸性ムコ多糖が沈着した有棘細胞癌
著者: 佐伯誠1 小玉肇1
所属機関: 1岡山大学医学部皮膚科教室
ページ範囲:P.285 - P.288
文献購入ページに移動 腫瘍周辺の表皮直下乳頭層に多量のアミロイドが沈着し,腫瘍周囲の結合織に酸性ムコ多糖が,また腫瘍巣の細胞質内にアルシアン青陽性物質が沈着している有棘細胞癌の1例を報告した.さらに有棘細胞癌の教室例における酸性ムコ多糖の沈着について検討した結果,多くの症例(38例中25例)で腫瘍周辺の結合織に酸性ムコ多糖が沈着し,特に浸潤性に増殖している部位に多かった.また増殖している腫瘍細胞巣内の一部の細胞質内にアルシアン青陽性物質の沈着を認めた症例がかなり認められた(38例中9例).アミロイド沈着を認めた例は少なく(38例中2例),その沈着量は少量であった.
掲載誌情報