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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科38巻5号

1984年05月発行

文献概要

原著

続発性皮膚アミロイドーシス—主に非腫瘍性疾患の観察

著者: 堀口典子1 堀口裕治1 初岡美智子1 今村貞夫1

所属機関: 1京都大学医学部皮膚科教室

ページ範囲:P.401 - P.405

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 非腫瘍性疾患169例におけるアミロイド沈着の有無を検討し,比較のため表皮性腫瘍性疾患73例,非表皮性腫瘍性疾患16例についても合わせて検討した.その結果,非腫瘍性疾患では,アミロイド沈着は一般に低率であったが,汗孔角化症と慢性湿疹では高率にみられた.中でも汗孔角化症では12例中7例にアミロイド沈着がみられ,その沈着部位は主にcomoid lamellaの直下にみられた.汗孔角化症における高いアミロイド沈着の原因は,本症が日光刺激により異常クローンを生じ,表皮の変性細胞が生じやすいことと関係があるものと思われた.また扁平苔癬や円板状紅斑性狼瘡の基底層には,チオフラビンT染色でのみ陽性のコロイド体様小体がみられ,扁平苔癬の真皮乳頭層に,チオフラビンT染色でのみ陽性のコロイド体様の集塊状物質がみられた.これらの所見は,コロイド体とアミロイド物質の産生機序の近似性を示唆する所見と考えた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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