文献詳細
文献概要
原著
Pulse療法を行なった全身性エリテマトーデスの1例
著者: 四本秀昭1 下川優子2 田代正昭2
所属機関: 1国立南九州中央病院伊敷分院皮膚科 2鹿児島大学医学部皮膚科教室
ページ範囲:P.523 - P.526
文献購入ページに移動我々は,従来のpulse療法の適応から多少はずれた,発熱,関節痛,全身倦怠感があり,検査成績でcirculating immune complexes (CIC)がやや高値,低補体価(CH50)を示したSLE患者にpulse療法を行なった.Pulse療法後3日目には自覚症状は消失し,CICは,pulse療法直後高値を示したものの,3日目にはpulse療法前のレベルとなった.そして,6日目に正常上限迄CIC値が低下した.CH50は6日目にやや上昇傾向がみられた.5週目にはCICはほとんど検出できず,CH50は正常値となった.
以上から,ループス腎炎や脳神経症状を伴うSLEの他にも,SLEのいくつかの指標が活動性を示すような症例ではpulse療法が十分に適応となると考えた.
掲載誌情報