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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科38巻7号

1984年07月発行

原著

Letterer-Siwe病の1例

著者: 大沢純子1 石井則久1 長谷哲男1 中嶋弘1

所属機関: 1横浜市立大学医学部皮膚科教室

ページ範囲:P.657 - P.661

文献概要

 8カ月,男児.生後5カ月頃より,陰股部に紅斑・びらんが出現し,某医にてステロイド外用療法を受けたが改善せず,皮疹は漸次拡大し,生後8カ月目に皮膚生検により,Letterer-Siwe病と診断された.診断時のLahey scoreは2点で,肝・肺・造血器など主要臓器の機能障害は認められなかった.腹部の痂皮性丘疹の生検像は典型的で,真皮上層から一部表皮内にかけて組織球の浸潤が著明であった.さらにPAP法によるS−100蛋白染色を行なったところ,浸潤した組織球が核・細胞質ともに選択的に染まる所見を得た.治療はプレドニゾロンとメトトレキセートの経口投与を4週間施行したのみで,皮膚症状,血液所見ともに正常化した.発症後7カ月に至る現在も重篤な障害は現われず,Letterer-Siwe病の良性型と考えられる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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