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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科38巻7号

1984年07月発行

原著

早期胃癌の皮膚転移例

著者: 橋爪鈴男1 久保和夫1 土屋雅則1 下田祥由1 田所衛2

所属機関: 1聖マリアンナ医科大学皮膚科教室 2聖マリアンナ医科大学第1病理学教室

ページ範囲:P.687 - P.690

文献概要

 頸部から後頭部にかけ硬結性腫瘤を呈した早期胃癌(Ⅲ+Ⅱc)の皮膚転移例を報告した.69歳,女性.昭和51年8月,早期胃癌にて手術した.術後約2年8カ月後に皮膚転移が出現した.その後全身状態悪化し,皮膚転移出現後約1年6カ月後に死亡した.皮疹は圧痛,熱感のない硬結性腫瘤で,被髪部は一部粗毛となっていた.組織学的には真皮膠原線維間に印環細胞型の腫瘍細胞が散在し,PAS染色,alcian-blue染色は陽性であった.剖検にて肺,肝,腎,卵巣など多臓器に転移巣を認めた.既往歴,皮膚転移臨床所見,皮膚生検所見,剖検所見より早期胃癌の皮膚転移(sclerodermoid type)と確定診断し,転移はリンパ行性の可能性が強いと思われた.また,alopecia neoplasticaと思われる所見も認められた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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