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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科38巻9号

1984年09月発行

原著

Eosinophilic Fasciitis—血液異常および心病変を伴った1例

著者: 石川利之1 長谷哲男1 内山光明1 中嶋弘1 永井隆吉1

所属機関: 1横浜市立大学医学部皮膚科教室

ページ範囲:P.851 - P.856

文献概要

 Eosinophilic fasciitisと考えられる1例を報告した.症例は55歳,女性.肉体労働に従事.昭和54年頃より四肢の皮膚の硬化.昭和57年10月より肘関節屈曲障害および前腕部皮膚硬化増強が出現.昭和58年1月より,全身倦怠感,下腿の浮腫,硬化,大腿部筋痛,歩行障害,高熱等が出現したため当科入院.白血球数減少,白血球分画にて分葉核球減少,好酸球増多,高γグロブリン血症.RA (+),心エコーにてpericardial effusion(+).骨髄穿刺にて悪性所見(—).好中球に関しては,分葉核球の百分率のみ低下.皮疹部皮膚生検組織にて,真皮の浮腫,血管周囲性リンパ球浸潤と膠原線維の増加,筋膜の肥厚,皮下組織および筋膜筋層への密なリンパ球浸潤が認められた.酵素抗体法により,IgG,IgM, IgAが筋膜および筋組織の間質,真皮線維に沿って認められた.プレドニン40mg/day投与により,著明に改善した.以上より,血液・心病変を合併したeosinophilic fas—ciitisと考えられた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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