文献詳細
原著
文献概要
48歳男性にみられたピロキシカム(バキソ)による光線過敏性薬疹の1例を報告した.バキソ内服後5日目より,露光部に浮腫性紅斑が生じた.一般血液検査ではCRP陽性,γ—グロブリン高値の他は血液,尿検査に異常を認めなかった.組織所見は急性皮膚炎の像を示したが,sunburn cellは認めなかった.光照射試験では長波長紫外線領域に作用波長があった.同領域でのバキソの光貼布試験は陰性であった,しかし内服照射試験により最小紅斑量の低下,皮疹の再現を認めた,発生機序は光毒性の可能性が高いと考えられたが,光アレルギーの関与もなお否定できなかった.ピロキシカムによる光線過敏症は散発しており,その光毒性には注意を払う必要があるが,個々の症例の発生機序については,なお検討を要すると.考えられた.
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