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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科39巻10号

1985年10月発行

文献概要

原著

病変部表皮下層に補体(C3)の沈着をみた尋常性天疱瘡の1例

著者: 細貝浩章1 渡辺剛一1 石川英一1

所属機関: 1群馬大学医学部皮膚科教室

ページ範囲:P.829 - P.833

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 螢光抗体直接法で,表皮細胞間全層にIgGの沈着を,下層にC3の沈着を認めた39歳女性の尋常性天疱瘡の1例を報告した.過去10年間の本邦例につき集計した結果では,C3の沈着は尋常性天疱瘡患者螢光抗体検索記載例43例中28例(65%)に認められた.そのうち,水疱発生部位である表皮下層にC3の沈着をみた例は,28例中11例(39%)あり,報告例と同じく表皮全層にIgGを,下層にC3の沈着をみた例は28例中9例(32%)であった.このことは補体が尋常性天疱瘡の病変局在性に何らかの影響を及ぼしていることを示唆するかも知れない.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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