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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科39巻10号

1985年10月発行

文献概要

原著

膿疱性乾癬から再発性環状紅斑様乾癬へ移行したと考えられる1例

著者: 小幡仁子1 麻生和雄1 渡辺修一1 小川俊一2

所属機関: 1山形大学医学部皮膚科教室 2山形県立中央病院皮膚科

ページ範囲:P.835 - P.840

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 28歳,女性.6歳時より躯幹に紅斑出現.13歳,17歳,18歳時にそれぞれ再発.25歳時には,紅斑,膿疱,落屑とともに39℃台の発熱,関節痛を伴い,組織学的には角層下膿疱を伴う尋常性乾癬の像を呈し,膿疱性乾癬と診断した.皮疹の増悪は月経周期にほぼ一致する変動を示した.28歳時,妊娠とともに再発し,全身状態は良好であったが,環状紅斑,膿疱,落屑が難治性となった.組織学的に角層下膿疱を認めるが,海綿状膿疱は明らかでなかった.個々の皮疹の速い経過と特徴ある形態より再発性環状紅斑様乾癬と診断し,膿疱性乾癬からの移行例と考えられた.再発性環状紅斑様乾癬と膿疱性乾癬,さらにsubcorneal pustular dermatosisとの関係などについて若干の考察を加えた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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