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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科39巻10号

1985年10月発行

文献概要

原著

原発性Bartholin腺癌の1例

著者: 吉田秀史1 守田英治1 藤田優1 岡本昭二1 田丸淳一2 長尾孝一2

所属機関: 1千葉大学医学部皮膚科教室 2千葉大学医学部第一病理学教室

ページ範囲:P.863 - P.867

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 71歳,女性.初診約1年前より外陰部に出血性皮疹出現.初診時,外陰部から会陰,肛門にかけて表面ゼラチン様物質に被おれる潰瘍と腫瘤および浸潤性紅斑を呈した.この腫瘍は組織学的に多彩な像を示していた.即ち,乳頭状腺癌(papillary adcnocarcino—ma)と粘液産生型腺癌(muconodular adenocarcinoma)が混在する像を呈した.その結果,転移性皮膚癌の診断で胃,腸,肺,卵巣など原発巣の検索を行ったが異常なく,手術標本の所見も合わせ,Bartholin腺癌と診断した.本症例は臨床的にも組織学的にも示唆に富む症例で,本腫瘍の診断基準,臨床症状,組織像などにつき若干の文献的考察を加え報告した.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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